二番手羽を背負った瀬央ゆりあについて思うこと

星組全国ツアー公演『バレンシアの熱い花』『パッション・ダムール・アゲイン』のフィナーレで、

瀬央ゆりあさんがついに二番手の大羽を背負われたとのこと。おめでとうございます！

瀬央さんファンにとっては、待ちに待った二番手羽ですよね。

大劇場ではなく別箱公演とはいえ、はっきり示されたのは本当に嬉しいことです。

今日はそんな瀬央さんについての思いをお話ししようと思います。

クラシックな大人の男役としての魅力

「あなたの心にテレポーテーション、瀬央ゆりあです！」とスカイステージの番組で言っていた頃のちょっと可愛い瀬央さんが懐かしいですが、

最近は男役の演技がどんどん深まってきていて、前作の大劇場公演『ディミトリ』では、包容力ある大人の男としての魅力が爆発。

髭をたくわえた姿が単なるおじさんにならず、色気を感じさせる男役として成立させるのは難しいことだと思うのですが、

瀬央さんはしっかり役を自分のものにしていて、魅力あるその変貌ぶりに驚いたものです。

宝塚には昔からスターになる男役の伝統的な面差しがあると思うのですが、瀬央さんはまさしくそのタイプ。

面長で鼻筋の通った顔立ち、正統派の二枚目でクラッシクな演目が似合うタイプです。

もちろん全員がそのタイプではバリエーションに欠けるし面白みもなくなるので、いろいろな個性を持ったスターが揃う方がいいのですが、

そういうクラシックなタイプの男役スターは各組に必ずいてほしいもの。

瀬央さんには、そんなタイプの男役として今後もますます活躍してほしいと思っています。

二番手ぼかしの行方

先日、星組のもう一つの別箱公演『赤と黒』を観てきました。

月組から組替えで来られた暁千星さんの出番が多く、お衣装も派手で、

ビジュアルだけで観れば主演の礼真琴さんと並ぶほどの勢いでした。

暁さんが星組に来られてからは、瀬央さんと暁さんの二番手ぼかし状態が続いていましたが、

『赤と黒』観劇時に、暁さんがこのまま二番手になるのだろうと強く感じました。

そんなところで聞いた瀬央さんの大羽報道。。

『ブエノスアイレスの風』ですっかりニヒルな男役に変貌した暁さんですが、元々は礼さんと同じく可愛らしいタイプのお顔。

そんなお二人と並ぶ瀬央さんは、より男らしい男役として存在感を示しています。

礼さんと愛月ひかるさんが、全くタイプの違う男役として素敵な並びだったように、

礼さんと瀬央さんの並びもバランスがよく、お互いを上手く引き立て合えると思うのですが…

長らく二番手ぼかしが続いた中、『赤と黒』で暁さんの強いポジションが示された状況で

別箱とはいえ二番手羽を背負った瀬央さんは、これからどうなっていくのでしょうか。

水美舞斗と同じような状況

花組の水美舞斗さんと瀬央さんの置かれた状況は似ています。

花組にはトップの柚香光さんと同期の水美さんがいて、VISAの冠を背負って永久輝せあさんが雪組から花組へ組替え。

水美さんと永久輝さん、二番手はどっち… 水美さんが二番手羽根を背負ったものの、専科へ組替え。

星組ではトップの礼さんと瀬央さんは同期。そこへ星組トップを想定した暁さんが月組から組替えでやってきて…。

劇団は水美さんと瀬央さんの人気のはかり方を誤っていたと思います。

包容力ある大人の雰囲気をまとうのはある程度上級生にならないと難しいので、仕方なかった面もあるかもしれませんが…。

　　　

水美さんは専科へ行かれましたが、瀬央さんはどのような道を進まれるのでしょうか。

専科でいろいろなお役に取り組まれるのもいいですが、

個人的には月組の鳳月杏さんのように男役の色気を感じさせてくれ、魅力を存分に発揮できるポジションについてほしいと強く願っているので、

サヨナラショーができる日程である星組次回作『1789』の集合日まで、落ち着かない日々が続きそうです。。