現在公演中の宙組東京公演『カジノ・ロワイヤル』の千秋楽が、全世界に向けて配信されることが発表されました。
今まで宝塚を知らなかった海外の人たちに宝塚を知ってもらえることは、とても嬉しいことですね!
もちろん、日本人の海外在住の宝塚ファンも大いに喜んでいることだと思います。
今日はこのお知らせについて、思ったことをお話ししたいと思います。
体感的に外国人ファンが増えている
『カジノ・ロワイヤル』の大劇場公演には何度も通ったのですが、
結構な頻度で、熱心なファンであろう外国の方々を見かけました。
アジア系の方はぱっと見で日本人と見分けがつきにくいので、ここで言う外国の方々はそれ以外の方々。
真風さんの公演グッズのTシャツを着ている方がいたり
みなさん明らかにツアーで来た観光客ではない様子でした。
その中で男性も多く見かけ、明らかに従来のファン層から拡大している印象です。
以前から日本語以外の話し声が聞こえてくることはありましたが、ここまで外国の方々を見かけることはなかったです。
日本に滞在する外国の方々が増えたことや、ネット社会で情報が瞬時に伝わることが大きな要因でしょうか…
今回については、世界的に有名な007だから、ということもあるかもしれませんね。
宝塚が海外に通じるかという懸念
「宝塚は海外ミュージカルに比べてまだまだレベルが低い」という意見を時々耳にします。
確かに、ブロードウェイなどのミュージカルスターのパワフルなパフォーマンスは
宝塚に比べると文字通り圧倒的ですが、その比較は単純にはできないですよね。
海外のミュージカルや、宝塚以外の日本の多くのミュージカルもそうだと思うのですが、
まず作品があって、その作品にふさわしいキャストがオーディションなどで選ばれるか、
その実力を知られた人がキャストとして選ばれることが多いのではないでしょうか。
つまり、日々芸事に切磋琢磨している数多くの人たちの中から選出され、
絶対的にその作品に相応しいメンバーからなる、その作品限定のカンパニー。
一方の宝塚は5組ありますが、それぞれの組がほぼ同じメンバーで常に公演し、しかもキャリアの短い人が多数派。
こうやって比べると、明らかに宝塚が不利ですね。
でも宝塚には、宝塚にしかないものがありますよね…!
もはや伝統芸能な宝塚
海外でも有名な歌舞伎は、江戸時代から続く日本の伝統芸能です。
宝塚歌劇団は来年で創立110周年ですが、日本人的感覚からすれば、歌舞伎に比べるとまだまだ歴史が浅いと思いがち。。
でも100年以上の歴史の中で築かれた美しい男役芸と言うのは、
歌舞伎の女形と同様に一つの芸術の技であることは間違いありません。
さらに大人数での揃った群舞は圧巻で、それを盛り上げる舞台装置や衣装も華やかで豪華。
もはや宝塚は日本の伝統芸能と言っても差し支えないはずです!
- 女性のみで演じ、男役も女性が演じる
- 常設の劇場がある(しかもかなり大規模)
- 常に75名前後の出演者
- オーケストラの生演奏
- ほぼ1か月ごとに変わる上演作品
- 華やかな舞台装置や衣装
- 和物、洋物、漫画原作など多岐に渡る作品
- 老若男女が楽しめる
宝塚の特徴を思いつくままに上げてみましたが、明らかに単なるミュージカル劇団ではないですね。
日本が誇る唯一無二なパフォーマンス集団として、そして日本の伝統芸能の一つとして、
今回の全世界配信を機に、今後もどんどん世界にアピールしていってほしいです!
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