星組『RRR』『VIOLETOPIA』大劇場千秋楽の配信を視聴しました。
礼真琴さんがすっかりお元気になられたようで、本当に良かったです。
礼さんの開演アナウンスは、それはそれは低くカッコいい声で、
大きな期待感とともにインド映画の世界に引きこんでくれました!
とにかく礼真琴がカッコいい『RRR』
3時間にも及ぶインド映画『RRR』が原作ということで、
宝塚の舞台でいったいどう再現されるのかと思いましたが、
谷貴矢先生の脚本と演出は、ダレることなく本当にお見事でした。
ナートゥダンスはもちろん、全編にインドのリズムが感じられて素晴らしかったです。
礼さんのトップ就任後、フレンチロック・ミュージカルを始め様々な舞台を楽しんできましたが、
今回の『RRR』が一番好きです!
とにかく礼さんがカッコいい。
こういう礼さんを見たかったのだ!と思えました。
本作で演じたビームは、抑圧された立場から立ち上がるヒーロー。
礼さんにはぴったりの役柄だと思うのですが、同じような役は『阿弖流為』や『1789』でも演じていましたよね。
でも『RRR』のビームは、これまで以上に熱さのある精悍さが際立っていて、
礼さんのパッションが何倍にも感じられたような気がします。
特に、とらわれてムチを打たれながら歌う場面は
もう圧倒と感動の嵐といってもよいほどかと!
礼さんの素晴らしい歌唱で、抑圧された心の哀しみと激しい怒りが、心の奥底に響いてきました。
その他では、礼さん演じるビームが暁さん演じるラーマと出会う火事の場面も、躍動感があってとても良かったです。
今回は礼さんと舞空さんのラブロマンス的な要素がなく、暁さんとの友情がメインでしたが、
礼さんと暁さんの魅力を存分に堪能できました。
ダンスがお得意なお二人と星組生たちが踊るナートゥダンスは、本当に見ごたえ満点。
2番手は悪役に回ることも多く、それはそれでよいのですが、
今回のようにトップスターと2番手のバディ感が楽しめる作品をもっと増やしてほしいなと思います。
なんだか辛気臭い…『VIOLETOPIA』
指田珠子先生の大劇場デビュー作となる『VIOLETOPIA』。
指田先生の並々ならぬ熱意は感じたのですが、強くて熱すぎる『RRR』を観た後では、
どうしても暗く、なんだか辛気臭く感じてしまいました。。
『RRR』の後では繊細すぎたというか。
このショーを一本だけで観たならば、指田先生の世界観をもっと堪能できたかもしれません。
でも儚く妖しげなイメージや、ストーリー性のあるショーは好みが分かれると思います。
少し気が遠くなりかけたところで、暁さんの「Highway Star」で意識が戻りました。
懐かしいディープ・パープルのロックですが、あの凝り凝りな宮廷服の衣装は合ってるんですかね…?
全体を通して、指田先生の目指す世界観は理解できるものの、
照明が暗く、衣装が多彩過ぎて、生徒個人の顔が見えにくい印象でした。
配信だったのでそう見えたのかもしれませんが…
お芝居とショーの二本立ての場合、そのコンビネーションもかなり重要なんだと改めて気づかされました。
『VIOLETOPIA』はストーリー性のあるショーのためか、
この公演で退団される天華えまさんのピックアップシーンが少ないな…と思いながら見ていましたが、
フィナーレへの導入場面、銀橋で「As Time Goes By」をソロで聴かせてくれました。
退団される今の気持ちとリンクするようで、感慨深かったです。。
下級生の頃の天華さんは、新人公演の主演に3回も抜擢。
本当にキラキラと輝いていて美しく、下級生ながら男役の色気も感じられ、先が楽しみと思っていたのですが、
いつの頃だったか舞台での表情に翳りが感じられて…持つ力を発揮できない環境が、本当に残念でした。
運やタイミング、いろいろなめぐり合わせで決まっていく厳しい世界ですね。。
まだ東京公演がありますが、退団後は充実した幸せな道を歩いて行かれるよう、心から応援しています。
いろいろな思いをめぐらせながら見た配信でしたが、
暁さんの赤い軍服姿が最高にカッコ良かったことと、
極美慎さんがカッコいいのにすごく可愛いかったことは、忘れないように記しておきたいと思います。
これからの星組が、ますます楽しみです!
コメント