花組大劇場公演『鴛鴦歌合戦』『GRAND MIRAGE!』を観劇してきたので、感想をお話ししたいと思います。
星組のフレンチロック・ミュージカルから和物オペレッタと、改めて宝塚の振り幅の大きさを実感しました。
最近はお芝居の中でもアップテンポのナンバーが多く使われていたり、
ショーもビートの効いたロックテイストのものが増えていますが、
今回の公演は、お芝居・ショーともにゆったりとした時間が流れているようでした。
柚香光の見せ場が少なく残念『鴛鴦歌合戦』
浪人風のカツラが新鮮な柚香さん。
登場場面はどこも申し分なくカッコよくて本当に素敵なのですが…
トップスターとして、もっと印象的な場面を作っても良かったのでは?と思ったのは私だけでしょうか。
個々の登場人物のキャラクターが際立っていてストーリーとしては面白いのですが、
その分、柚香さんへのフォーカスが散漫になっているように感じました。
この公演で退団される、航ひびきさん、和海しょうさん、春妃うららさんの見せ場はたっぷりあり、
下級生たちにも活躍の場が与えられていて、小柳先生の組子への愛は感じたのですが。。
柚香さんがカッコよすぎるだけに、もっとどうにかできそうで、少し残念な気持ちになりました。
また、最後まで「ズンチャカ、ズッチャ…」と昔のテンポ感でのんびりと楽しめるのですが、
それも途中から少しダレたように感じてしまい。。
半分くらいの時間で上演するのがちょうど良い内容とテンポ感だなと思いました。
どこがネオ…?『GRANDE MIRAGE!』
ロマンチック・レビューシリーズ22作目となる本作は「ネオ・ロマンチック・レビュー」として扱われているのですが、
正直どこがネオなのか、よくわからなかったです…。
が、まさしくロマンチック・レビュー!という感じでした。とにかく上品で優雅。
宝塚の原点を認識するためにも、定期的にロマンチック・レビューは上演した方がいいかもしれませんね。
柚香さんが演じるフランス外人部隊のフィリップ中尉は、宝塚の男役ならではの麗しさ。
トップの柚香さん、2番手の永久輝さん、3番手の聖乃さんの並びは
少しタイプが似た感じはするのですが、美しくて花組らしい華やかさで輝いていました!
星風さんは、ずいぶんお痩せになったのでしょうか…?
おへその見えるお衣装のウェストが驚くほど華奢で、ダイナミックなリフトに備えられたのかもしれません。
ショーの中でリフトの場面はいくつかありましたが、その中でも度肝を抜かれたのは、
一之瀬航季さんが星風さんを片方の肩に乗せて登場した場面です。
娘役さんを座らせるような状態で片方の肩に乗せるなんて大技、初めて見ました!
一緒に観ていた友人は「真琴つばささんが以前にしていて、それ以来見てない」と言っていました。
優雅なロマンチック・レビューに大技が入っているのがネオ・ロマンチック・レビューなんでしょうか…??
全体的にはエレガントな流れで、ラテンの場面も花組らしい熱さがあふれていました。
刺激的な部分は少なかったですが、安心してゆったりした気分で堪能できて、
宝塚を観た!としっかり感じられる岡田先生ならではのショー作品でした。
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