元星組トップスターの柚希礼音さんと、元宙組トップスターの真風涼帆さんが
ダブルキャストでご出演されている『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』。
帝国劇場で上演されていた東京公演が、無事に千秋楽を迎えました。
劇団の会見で大変だった時期に観劇したので、
楽しい公演の話をするのも躊躇われて感想が今頃になってしまいましたが、
とても素敵な舞台でしたので、よろしければお付き合いください!
帝国劇場で小池ワールド全開
由緒正しい帝国劇場に、初めて足を踏み入れました。
美しいステンドグラスに趣があるロビーで本当に素敵な劇場でしたが、
すでに建替えが決まっているとか。建替え前に訪れることができてよかったです。
舞台の感想は簡潔に言うと、大変楽しかったです!
小池ワールド全開で、観客を楽しませるための仕掛けがいっぱい。
脚本としてはどうなの?と突っ込まれる方もいらっしゃるかもしれませんが、
そんなことは気にしないで楽しめる勢いがありました。
メインキャストがそれぞれに魅力的で、音楽もドーヴ・アチア氏で素晴らしかったです。
華やかな舞台は主演の古川雄大さんの魅力によるところがやはり大きく、
初っ端から颯爽とカッコよく登場して客席から大きな拍手が。。
宝塚ではトップスター登場で拍手は当たり前ですが、一般の舞台でもそうなのでしょうか…?
作品の内容は、宝塚でも十分上演できそうな登場人物・展開でした。
マントを翻すルパンは、柚香光さんや月城かなとさんが似合いそう!
カリオストロ伯爵夫人は2番手の男役さんの役かな?などと思いながら観ていたら、
同じ小池先生演出の、真風さんの退団公演『カジノ・ロワイヤル』に重なるようなところもあり、
古川さんのジェームズ・ボンドで『カジノ・ロワイヤル』もいいかも…と妄想が広がりました。
登場人物にシャーロック・ホームズまで出てきて、一体どんな展開になるのかと思いましたが、
ロンドンの暗いイメージは全くなく、軽めでユーモラス。
ストーリーもわかりやすく、大人から子供まで楽しめる作品でした。
古川雄大の魅力
主演の古川雄大さんは、現在放送中のNHKドラマ「大奥」でも
存在感のある落ち着いた魅力を発揮されていて気になっていましたが、今回初めて舞台を拝見しました。
男性でありながら、宝塚のトップスターにも通じるような華やかさを持つ古川さんの求心力が本当に素晴らしくて、
人間力が育った大人の男性の魅力が溢れきっていました!
身長も高くて舞台上では目を引き、カッコいいのはもちろん、
コミカルな演技も軽妙で、お芝居の声も素敵でした。
ただ歌声が少し予想外で、声が随分若いような、ちょっとアイドルのような感じにも聴こえ…
その佇まいとはミスマッチのような気が最初はしたのですが、
何度も聴いているうちに、それもギャップがあって素敵と思うようになり、
さすがは古川雄大さん…という思いに至りました。
真風さんの女優デビュー
今回の観劇の一番の目的は、宝塚退団後、初の本格的舞台出演となった真風さんを観る事でした。
女優デビューを見届けるつもりでいたのに、冒頭の登場場面はまさかの黒燕尾!
男役の補正から解放された真風さんは、宝塚時代よりもさらにスレンダーな印象でしたが、
身のこなしは在団中のまま。
退団してもこんなに美しい男役姿を見ることが出来るなんて、小池先生に感謝です。
男役の中でも高身長でリアルメンズ感では定評のあった真風さんですが、ドレス姿もお似合いでした。
「ベルサイユのばら」でオスカルがドレス姿でフェルゼンに出会う場面がありますが、まさにそんな感じ。
柚希さんのゴージャスなマダム感とは大きく違っていて、Wキャストの面白さを感じました。
観る側としては男役のお芝居に慣れきっているので、
女性としての演技に違和感を感じるかも…と少し不安だったのですが、全然そんなこともなく、
真風さんご自身が楽しんで演技をしているのが伝わってきて、観ている方も楽しくなりました。
女性姿での歌声も自然でしたし、コメディセンスも発揮で、
今後どのように変化されていくのか、期待が高まります。
凛々しい男役からいきなり艶やかな女性に変身されるとファンも戸惑いますが、
小池先生の素晴らしい演出によって、段階を経て男装から女性に変身。
ファンの満足度も高いものになりました。
真彩希帆さんの天使の歌声は健在でしたし、
古川さん以外にもイケメンな立石俊樹さん、個性が光る勝矢さん、小西遼生さん、
子役で有名だった加藤清史郎さん、元宙組で懐かしい彩花まりさんなど
魅力的なキャストに音楽、衣装、装置も効果的で、大変豪華な舞台になっていました。
大阪でも観劇予定なので、どう進化するのか、今からとても楽しみです。
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