お芝居に続き、ショー『ジュエル・ド・パリ』の感想をお話ししたいと思います。
タイトルに「ファッシネイト・レビュー」とあるように、宝塚の伝統的な要素満載のショーでした。
いつもと違う藤井先生
ファッシネイトは「(人を)魅了する」という意味です。
ではいまさらですが、レビューとは?
調べてみると「歌と踊りを主体としたショー」とのこと。
演出家の岡田敬二先生によると、レビューとショーに明確な違いはないそうですが、
レビューは「時代劇」、ショーは「現代劇」と語られていて、
クラシックな衣装で歴史を振り返るのがレビューということのようです。
今回は全く予習をしないで観劇したのですが、見事に藤井先生への先入観を覆されてしまいました。
藤井先生と言えば…
- タイトルの最後に「!!」(これはそのまま)
- 男役の女装(いつもほどではないような…)
- 昭和アイドル歌謡の採用率が高い(今回はなし)
- お茶目な演出がある(今回はなし)
こんな感じが個人的な藤井先生に対する作品のイメージでしたが、
今回は岡田先生の演出かと一瞬思ってしまうぐらい王道なレビューでした。
幕開きは朝美さん、和希さん、縣さんたちが、絶世の美女を描きたいと歌う流れから、絶世の美女(彩風さん)が大階段中央に登場。
衣装ともセットともつかないゴージャスな美女スタイルから、一瞬で黒燕尾の紳士に変わり、
シルクハットに黒燕尾の紳士たちと、華やかなお衣装の娘役さんたちで豪華なレビューが繰り広げられます。
その後も、昔から歌い繋がれている名曲の数々がアレンジを変えて繰り返され、
本当に「宝塚を観た~!」という感じでした。
現代的なロックテイストいっぱいのショーもいいですが、
やっぱりロマンティック・レビューも必要だと改めて実感しました。
ラインダンスとカンカン
109期生のお披露目公演で、恒例のラインダンスがありました。
全身黄色のお衣装で、新しく歩み出したヒヨコちゃんのイメージかと思ったのですが、
実はフランスの春の花として有名なミモザのイメージだったとか。。
確かにフランスの春の花と言えばミモザが思い浮かびますし、明るく希望に満ちたイメージは初舞台生にぴったりですね。
ラインダンスはフィナーレで披露されることがほとんどだと思うのですが、今回はプロローグですぐに登場。
最初の方で登場するのは、後半にまた初舞台生が登場する場面があるのかな?と個人的に期待が高まりました。
カンカンの場面は夢白さん中心に展開され、夢白さんが側転を披露するなど大活躍。
さらに花道の端から端まで雪組生が一列に並んで、とても豪華!
この場面できっと初舞台生が登場するに違いない、ラインダンスが冒頭にあったのはそのためだ!と思ったのですが…結局初舞台生は登場せず。
初舞台生たちが大階段に立って羽扇を振るだけでも、さらに舞台が豪華になっただろうな…と思ってしまいました。
キャスト別の感想
彩風咲奈
今回の彩風さんは金髪が鮮やかで、華やかさがさらに増した印象です。
黒燕尾はもちろん、全身総スパンのピンクの燕尾もさらりと着こなし、改めてスタイルの良さを実感しました。
夢白さんとの並びも綺麗で、相性の良さを観客に納得させたのではないでしょうか。
夢白さんとは学年差がある分、ダンス場面などで彩風さんの包容力が増したように感じました。
組む相手が変わることで、今まで見えていなかったところが見えてくるのも面白いですね。
夢白あや
新トップ娘役として大活躍でした。
思いっきり踊った後にソロで歌う場面があり、大変そうでしたが、トップ娘役としては通過儀礼なのでしょうか。
全体的に夢白さんの歌唱場面はあわただしい感じだったので、美穂圭子さんが銀橋で歌うように、
夢白さんにもじっくり歌う場面があったらよかったのになと思いました。
朝美絢
二番手としての存在感がより一層鮮明になっていました。
お芝居でも男役度がアップしていましたが、ショーでも同様。
着実に階段を上がっているのが強く感じられました!
和希そら
今回「びっくり和希」なんていう言葉が聞こえてきていたのですが、この程度のことは彼女にとっては朝飯前?
クレオパトラのダンスは和希さんならではのカッコよさがあって良かったですし、
美穂さんと一緒に歌う場面も、美穂さんに臆することなく堂々としていて。
本当にショーの和希さんは、楽しみでしかありません!
宝塚の王道的なレビューでしたが、新生雪組、そして109期生のお披露目公演にはとてもふさわしく感じられた作品でした。
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