星組の大劇場次回作が発表されましたね。
三谷幸喜さん原作の『記憶にございません!』だそうですが、どんな舞台になるのか…
期待は大きいのですが、少し残念というのが正直な感想です。
三谷作品の面白さ
その昔『やっぱり猫が好き』というTVドラマが好きでした。
この作品で、脚本を担当されていた三谷幸喜さんの名前を知り、
その後に観た三谷さんの映画が『ラヂオの時間』。
なんて面白くて、楽しくて、心の温まる映画なんだ!と感動したのを覚えています。
それからいくつかの三谷作品を観ましたが、多くの作品に共通していると感じたのは、
着想の素晴らしさ、面白い脚本、そして何よりも
本当にぴったり演者さんに役柄が当てはまっている印象で、
演者さんたちの持ち前の個性と実力が、さらに脚本の面白さを倍増させているようでした。
Wikipediaによると、三谷さんは脚本を書く際にあてがきをされるのだとか。
それで脚本がより生き生きとしたものになるのですね。
三谷さんは、ご自分が演出に関わらない状態で三谷作品が上演されるのを好まないとのこと。
さらに、演者が変わって再演される場合は、演者に合わせて脚本を書き換えることもあるそう。
こだわりの強そうな三谷さんなので、今度の宝塚上演にあたっても
いろいろ注文を付けられるような気がします。。
その上で上演を承諾された作品なら、映画とはまた違った趣になりそうですね。
配役予想
映画で中井貴一さんが演じた総理大臣黒田は、礼真琴さんですね。
トップ就任以来、現代劇のスーツものは初めてなので、どんな姿を見せてくれるか本当に楽しみ!
スーツものとは言え、主人公は総理大臣で、
傲慢さと誠実さをコミカルに演じ分けるという難しい役。
礼さんなら軽々と演じ分け、人としてどう生きるべきかという歌を朗々と歌ってくれそうです。
首相秘書官の井坂はクールなイケメンのディーン・フジオカさんでしたが、宝塚では暁千星さんでしょう。
眼鏡姿でキリリとした表情がもう目に浮かびます。
トップ娘役の舞空瞳さんは、役のウエイト的には小池栄子さんが演じた事務秘書官の番場のぞみでしょうか?
それとも黒田の妻で石田ゆり子さんが演じた黒田聡子かもしれませんね。
番場のぞみは総理大臣の秘書官ですし、黒田聡子は井坂と不倫しているようだし、
どちらにしても礼さんと舞空さんのロマンティックな場面は『RRR』に続き無さそうで残念ですが、
さすがに宝塚では設定が変更されるかもしれませんね。
原作の映画を見ていると、登場場面が少なくても個性的な配役がいっぱいで、
たくさんの星組生たちがキラリと光る演技を見せてくれそうで楽しみです!
小劇場向けの作品では?
宝塚以外の舞台を観にいくと、改めて大劇場のスケール感と装置のダイナミックさを実感します。
自前でこんなに素晴らしい劇場を持っていて、その劇場を回すスタッフが揃っているので、
できればその資源を活かす舞台芸術を見せてほしい!と思ってしまいます。
『記憶にございません!』は三谷さんらしいコミカルでハートフル、
そしてちょっと人間としてのペーソスを感じさせられる作品で、
個々の演者の表情や、演技で魅せる部分が重要になりそうな作品。
このような作品は、大劇場よりもバウホールのような小劇場が向いているのでは?と思ってしまいますが。。
実際の舞台で期待を裏切ってくれることを信じて待ちたいと思います。
宝塚では映画や小説、漫画などを原作とする作品を多数上演していますが、
宝塚の舞台装置や生徒のことをよく知った座付き演出家が、
宝塚ならではの、素晴らしいオリジナル作品をもっと創作していってほしいです。
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