配信で花組公演『二人だけの戦場』を視聴しました。
1994年に一路真輝さんと花總まりさん主演により、バウホールで上演された正塚晴彦先生の作品です。
初演は観ておらず、今回が初めての視聴となりました。
今日はその感想をお話ししたいと思います!
正塚先生らしい作品
個人的な正塚先生の作品のイメージは、コメディ作品を除くと、
結構シリアスなテーマがあって舞台のセットも重くて暗いイメージ。
男同士の友情や男女の恋愛模様を描いて、ちょっと笑えるところもあり、
テーマが重くても決して暗いだけにならないところが正塚先生らしくて、好きな演出家の一人です。
今回も幕開きから舞台上が暗くて、一本物で観るのが大変ではないかと少し心配になったのですが、
終わってみれば長さが気にならないほど引き込まれていました。
理想に燃える青年士官の柚香光さんなのですが、なかなか思いどおりに国や民族、個人の思いなどを一つにすることができず、つらい現実が続きます。
それでも最後は希望の持てるエンディングで、心が救われました。
ただ、タイトルの『二人だけの戦場』というほどには「二人だけ」な感じはなかったです。
柚香さんと星風まどかさんの愛の物語と同じくらいに柚香さんの理想を描いた物語であり、
どちらかというと永久輝せあさんとの深い友情の物語だと思いました。
キャスト別感想
柚香光(ティエリー・シンクレア)
初日映像でも印象深かったのですが、軍人らしく黒髪をきちっとセットしているのが新鮮でカッコ良かったです。
ちょっと神経質そうにも見えるのですが、そこが繊細な心の持ち主であることを思わせ、より魅力的な印象になっていました。
低めのトーンで話す声も素敵でした!
星風まどか(ライラ)
今回の役の設定が、宙組時代に出演した同じ正塚先生の作品『追憶のバルセロナ』のイサベルに似ているようで当時を思い出しました。
イサベルはムキになって話すところが可愛らしくて、星風さんにピッタリな役どころ。
ただあの頃に比べて今は星風さん自身が上級生になっているので、
今回のライラが若い頃の役作りには少し違和感を感じてしまいました。
最後の場面で、年月を経て大人の魅力をそなえた女性になっている姿はしっくり馴染んでいるようで。。
人妻役の経験は演技の幅を広げますが、初々しさも求められるトップ娘役は本当に大変ですね。
永久輝せあ(クリフォード・テリジェン)
裁判シーンの長セリフもよどみなく、どの場面も安定感のある演技でした。
今回は柚香さんと心を許し合った友人同士でしたが、二人の並びもよくお芝居の息も合っていたように思います。
柚香さんとのバディ感ある作品を観てみたいですね。
希波らいと(アルヴァ)
一瞬、綺城ひか理さんかと思いました。
今まで背は高いけど線が細いイメージだったのですが、ワイルドで男らしいビジュアルにびっくり!
その印象から声まで違って聞こえました。
これから、今までにも増して花組での存在感を示していきそうです。
凛城きら(ハウザー大佐)
凛城さんの飄々とした演技は宙組にいた頃から大好きでした。
クールというより癒し系なイメージなんですよね。今回も相変わらずの安定感でした。
声がとても魅力的で、シリアスなお芝居も素敵です。
綺城ひか理(ノヴァロ)
今回は出演場面が少なめでしたが、組替えのタイミングのためなのでしょう。
存在感とハスキーヴォイスがいいですよね。
これからまた花組でのご活躍を楽しみにしています!
水美さんが専科に組替え後、初めて見るトップ柚香さんと二番手永久輝さんの組み合わせでしたが、二人とも凛々しくてとても素敵でした。
水美さんの専科への組替えが発表されるまでは、これから水美さんはどうなるのだろう…という気持ちがどうしても拭えなかったので、
水美さんも星組の『ME AND MY GIRL』での主演が決まりましたし、花組はトップと二番手が安定したことで安心して観劇できそうです!
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