先日、宙組の『パガド』以来、久しぶりに大劇場で月組公演を観劇してきました。
平日の公演でしたが、立ち見の方々もいて、
改めて月城かなとさん・海乃美月さんトップコンビが退団されることを実感した公演でした。
『Eternal Voice 消え残る想い』
舞台上は暗く陰鬱なヴィクトリア女王統治下のロンドンでしたが、
正塚晴彦先生らしい軽妙なセリフのやり取りや、くすっと笑わされる場面が随所にあり、
そこまでシリアスにもならずストーリーに破綻もなく、楽しむことができました。
トップコンビの退団公演ですが、二人は結ばれるのか、どうなのか？という終わり方。
余韻を感じさせるのもいいのですが、もう最後なのですっきり固く結ばれる方がよくないですか…？
月城かなと
月城さんの少し長めのヘアスタイルは本当にお似合いで、長めのジャケット姿も素敵でした。
月城さんのイメージはクールで沈着冷静、理知的という感じが強いのですが、
それでいて温かみのある安定感をいつも感じていて、
それが毎回役にもにじみ出ているように思うのですが、
今回はまさにそんな感じで、もう月城さんにぴったりなキャラクターでした！
大劇場５作での退団は平均的な作数なのかもしれませんが、
破天荒で情熱的な主人公など、イメージとかけ離れた役も観たかったな…というのが正直な思いです。
海乃美月
ヒロインの海乃さんは、お衣装も可憐で儚げな美しいヒロインを魅力的に好演されていました。
当初はしっとり大人系のイメージが強かった海乃さんですが、
最近では個性的であったり、気の強い役が多い印象だったので、
今回のようなか弱く美しい役がもっとあっても良かったと思います。
余談ですが、グラフ等で見るオフの海乃さんはしっとり・個性的・気が強い・か弱いのどれでもなく、
勝手な感想ですがオフィスで仕事のできる優しい先輩っぽいことが多くて、
そういう面も月城さんのイメージとお似合いだなと思っていました。。
『Grande TAKARAZUKA 110!』
110期生のお披露目公演でもある今回は、初舞台生のロケットダンスもあり、
全体的に節目に相応しい豪華で素敵なショーとなっていました。
客席降りもあって、舞台上だけでなく客席も含めて大いに盛り上がり、
どの場面も月組生たちの魅力とエネルギーが強く伝わってきました。
特に印象的だったのは「荒城の月」の場面。
月城さんはひたすら美しく、背景やダンスも幻想的で、
本当に夢の中の出来事のようで素晴らしかったです…！
そして、大階段での男役黒燕尾の場面。
この公演が最後である月城さんは、あえて飾りのない黒燕尾。
月城さんの心意気と月組男役さんたちの潔い美しさを感じ、
これが宝塚の伝統であり、男役さんたちのプライドなんだと改めて気づかされました。
フォーメーションを整えるためにメンバーで心を一つにし、
頭から足先、手の指先に至るまで神経を行き届かせ、
個々の生徒さんたちがどれだけの鍛錬を積んだか、
それらのすべてが舞台から感じられました。
宝塚に対してのいろいろな意見、特に批判的な意見が多く飛び交っている中、
『パガド』以来の観劇でどう感じるのか不安な部分もありましたが、
生徒さん一人一人の舞台への真摯で熱い思いやひたむきな努力をひしひしと感じて、
やはりこれからも宝塚を観続けたいと再認識しました。
雪組の下級生時代から注目していた月城さんを、もう生の舞台で観劇することは叶いませんが、
配信視聴で、宝塚きっての美しい男役、月城さんの姿を、見届けたいと思います。
東京千秋楽のその日まで、出演メンバーみなさんが健やかに過ごせますように。
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