【感想】永久輝せあの魅力爆発『ドン・ジュアン』配信

花組トップコンビのプレお披露目公演『ドン・ジュアン』を配信で視聴しました。

望海風斗さんの初演が本当に素晴らしく感動的だったので、

今回の再演は正直少し不安な部分も感じつつ視聴したのですが、

永久輝さんの『ドン・ジュアン』も素晴らしいものでした。

再演の面白さ

再演作品の楽しさの一つは、演者の違いによってその作品の趣が違って見えることですよね。

今回の『ドン・ジュアン』は、望海さんの作品の中でも私が一番好きな作品で、

望海さんの圧倒的な存在感と素晴らしい実力の記憶が鮮明だっただけに、

甘い二枚目の印象の強い永久輝さんがどう演じられるのか、とても楽しみだったんです。

結果、永久輝さんにも、見事心を心を持って行かれてしまいました。。

望海さんを超えてくることはないかな…なんて思いながら見ていたのですが、

望海さんのドン・ジュアンとはまた異なる魅力が爆発していて、さすがVISAを背負ったトップスター…！

場面の変更や舞台背景が変わっている部分もありましたが、

今回は盆を大胆に使った演出があり、全体の印象としてはスケール感がアップしたように感じました。

キャスト別の感想

永久輝せあ（ドン・ジュアン）

伝統の花組トップスターにして、VISAのイメージキャラクターである永久輝さん。

正統派二枚目といった面差しは、宝塚の王道トップスターの印象です。

そんな永久輝さんが、悪徳と放蕩の限りを尽くす冒頭の場面。

悪ぶれた表情が美しい顔立ちに影を差すようで、それが色気になるという。。

悪い男と分かっていても女性はその魅力に抗えない、そんな心情がひしひしと伝わってきます。

最近の風潮としては歌唱力が重視されているようですが、

宝塚はやはりビジュアル第一！と思うのはこんな男役の姿を見たとき。

力強く歌うときの三白眼は本当に魅力的です。

　　　

正統派の白いイメージだけでなく影のある大胆な男といったイメージも身につけ、

さらに歌唱も素晴らしくて、心震えました。

永久輝さんのドン・ジュアンは、初演の望海さんに比べてもっと繊細でナイーブな青年像になるのでは？

と予想していたのですが、思った以上に骨太なドン・ジュアンで嬉しい予想外でした。

青年の繊細さというよりも大人の男の色気を感じさせ、男役の幅と奥行きがさらに出た印象で、

こんなに魅力たっぷりな永久輝さんが今後どんな役を演じられるのか、妄想が広がります！

星空美咲（マリア）

星空さんの声や歌い方、セリフ回しは、前花組トップ娘役だった星風まどかさんと本当にそっくりでした。

それだけ実力があるということなのか、星風さんからたくさんのことを学んだということなのか…

星空さんは身長が164㎝ということですが、舞台ではもう少し大きく見えました。

特に石像を作る時の衣装はがっちりしたスタイルに見え、永久輝さんとの並びもあまり身長差が感じられず、

思わずデュエットダンスのリフトが心配になってしまいました。。

初演で彩みちるさんが着ていたようなモノトーンのシンプルな衣装の方がよかったのでは…？

最後に星空さんが着ていた黒いドレスでの永久輝さんとの並びにはそこまで違和感を感じなかったので、

身長が高い娘役さんの衣装には特に配慮が必要だなと感じました。

娘役さんのイメージで、相手の男役さんの包容力がアップして見えたりもしますしね。

綺城ひか理（騎士団長／亡霊）

綺城さんは、シュッとしたイケメンも絶対素敵に演じられると思うのですが、

今回の騎士団長／亡霊を演じるのは、やはり綺城さんしかいない！

そう思わせてくれるほどの素晴らしい表現力でした。重厚感もあってよかったです。

希波らいと（ドン・カルロ）

初演のときにも思ったのですが、このドン・カルロは終始耐えている役ですよね…

希波さんの表情も、常に眉間にしわが寄っていました。もう少し違う表情があってもよかったのでは…？

それでも二幕冒頭のソロで歌う場面や、それに続くダンスの場面では、やはりセンターが良く似合う！

しっかり存在感をアピールすることができたと思います。

天城れいん（ラファエル）

少し鼻にかかった声は記憶に残りますね。

まだセリフの声は高めですが、これから経験を積んでもう少し低い声が出せるようになるでしょうし、

何より華があるので素敵な男役さんになりそう。

今回は永久輝さん相手に決闘もして大健闘でした。

　　　　

次回の大劇場お披露目公演の永久輝さんは、ドン・ジュアンとは打って変わって

大ホラ吹きの天使を演じるそうで、役の振り幅の大きさに戸惑いながらも楽しみで仕方ありません！