星組公演『ディミトリ〜曙光に散る、紫の花~』の初日まで、あと10日程となりましたね。
ポスターの花びらが風に舞う背景、「勇気とは、何か。」というキャッチコピーから、
歴史の流れに翻弄されながらも志を失うことなく生きた人たちのお話かとイメージが膨らみます。
観劇前の予習として、雑誌『歌劇』やスカイステージの番組から得た情報を簡単に整理しておこうと思います。
運命に翻弄されながらも愛を貫く
物語は並木陽さんの小説『斜陽の国のルスダン』が原作で、
13世紀に東欧で栄華を誇ったキリスト教国グルジア王国、今のジョージアが舞台です。
幼い頃に人質としてジョージアへ送られた近隣イスラム国の王子ディミトリ(礼真琴さん)。
ジョージア国王ギオルギ(綺城ひか理さん)が亡き後、妹の王女ルスダン(舞空瞳さん)が女王となるも、
モンゴルに攻められるなどジョージアは不安定な状態に。
そんな状況の中、ジョージア国の副宰相アヴァク・ザカリアン(暁千星さん)が、ディミトリとルスダンの運命の歯車を狂わせていく存在で登場。
また、モンゴルに滅ぼされた国ホラズムの生き残り、ジャラルッディーン(瀬央ゆりあさん)がディミトリやルスダンの前に立ちはだかる。
歴史の流れに翻弄されつつも、尊敬する国王ギオルギの言葉で、
ディミトリは守りたいもの、行うべきことに気づき、自分の意志で行動し始める…
心を寄せ合うルスダンとは、運命に翻弄されながらも愛を貫く…
ポスターの「勇気とは、何か。」の答えは、
愛する人や国への「愛を貫くこと」と予想しますが、果たして?
黒い役の暁さんが楽しみ
この公演は暁さんが星組に組替え後、初めての大劇場作品です。
暁さんが演じるジョージア国副宰相アヴァク・ザカリアンは、原作にはほとんど登場しない人物らしいのですが、
演出の生田先生は、ディミトリとルスダンの運命の歯車を狂わせていく存在として描いているそうです。
ジョージア国王ギオルギに対する強い愛のもと、国に対する思いや執着など、
動と静の部分がいろいろな形で描かれ、個性が輝くお役だそうで。
生田先生は『歌劇』の対談で暁さんに対して「黒い役、似合いますよ」とおっしゃっています。
暁さんといえば、以前はキラキラ王子様が似合うキャラクターでしたが、
経験を重ねて今では、大人の男役としての魅力も振りまいていますよね。
そんな暁さんの「黒い役」、俄然楽しみになってきました!
見どころ
ジョージアンダンス
今回の作品は、生田先生が以前から関心があったジョージアンダンスから着想を得て作られた作品で、
劇中でもそのジョージアンダンスが披露されるそう。
…ジョージアンダンスとは?
調べてみると、今回の作品でも振り付けを担当しているノグチマサフミ先生の動画をYouTubeで見ることができました。
ジョージアンダンスの印象は、同じヨーロッパでもフランスやイタリアの宮廷舞踊などとは全く違っていて、
ステップが力強く、動きがシャープでエネルギッシュ。
ジョージアに生きる人々の熱い魂が身体の動きに込められているようでした。
ノグチ先生のジョージアンダンスは「超人的な民族舞踊」としても知られているようで…
普段からダンスがキレキレなトップコンビにぴったりですね!
そんなジョージアンダンスが、お芝居の内容をより深みのあるものにしてくれそうです。
ディミトリの生きざま
イスラム国の王子であるディミトリが、キリスト教国で生きるというだけでも、なんだかとても大変そう。。
イスラム教とキリスト教の宗教的背景をある程度知って観ると、ディミトリの心情がより深く理解できるかもしれません。
また、もとは王子とはいえ人質の身なので、ルスダンとは身分違いなんですよね。
その出自ゆえに政には関わることができない立場ながら、不安定な情勢の中でルスダンと国への愛を貫く…
もう今から礼さんが熱く愛を叫ぶ姿が目に浮かびます!
原作ではルスダンが主役として描かれていますが、今作ではディミトリが主役に変更されています。
王子に生まれながらも、人質としてジョージアで幼い頃から生きていかなければならなかったディミトリ。
そんな彼が、自らの強い意志によって行動するようになる成長を描く物語でもあるので、
礼さんがどのようにその変化を演じられるかにも注目です。
作品の概要を知って、宝塚の舞台で上演されるのにぴったりな作品だと思いました。
過酷な運命に翻弄されながらもドラマティックに生きた主人公ディミトリ、華やかな衣装、壮大な音楽、心を震わすであろうジョージアンダンス。
礼さんをはじめとする星組メンバーがどのように演じられるのか、観劇の日が待ち遠しいです!
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