11月3日24時からNHKBSプレミアムで放送された『宝塚レビューセレクション』。
最初のところだけ見るつもりで見かけたらやめられず、懐かしかったり楽しかったりで、結局最後まで見てしまいました。
過去にNHKが収録した宝塚のレビューから厳選した作品をお届けするという企画で、
今回は2017年の宙組『クラシカル ビジュー』を、宝塚ファンはもちろん、宝塚ビギナーにも分かりやすく紹介する番組でした。
ゲストは朝夏まなとさんと愛月ひかるさん
『クラシカル ビジュー』の映像を流す前にトークの時間があり、MCにNHKアナウンサーの石橋亜紗さん、南海キャンディーズの山里亮太さん。
そしてゲストに元宙組トップスターの朝夏まなとさん、元宙組・星組男役スターの愛月ひかるさんを迎えて、鑑賞ポイントなどを楽しく紹介していました。
MCの強い宝塚愛を感じ、特に山里さんはファンになるきっかけとなった愛月さんがゲストということで、
緊張されながらもハイテンションで、私も共感しながら楽しく視聴しました。
現在の朝夏さんと愛月さんは、女性らしく美しいお姿で、在団中の男役時代とは違いとても柔らかい雰囲気。
でも男役の手の使い方などを教えてくださるときには、
在団中のようにきりっとした感じになっていて、時が戻ったようで懐かしい気持ちになりました。
鑑賞前にお二人が『クラシカル ビジュー』の見どころポイントを3つ紹介していたのですが、
3つのうち2つは同じ場面で、プロローグのダンス場面と、10分に及ぶ男役が黒燕尾で踊る場面。
残りの1つは、朝夏さんが真風さんとダイナミックに踊る場面。愛月さんは自身も出ていたコミカル&妖艶なシーンでした。
お二人のトークは宙組時代と変わらない慣れ親しんだ感じで、男役のスーツのこだわりポイントなどを話され、
それに山里さんが面白おかしく突っ込むといった調子でトークが盛り上がっていました。
副音声も要チェック
普通に『クラシカル ビジュー』の映像だけでも楽しめるのですが、副音声では4名の解説を聞くことができました。
石橋さんは場面の説明をしてくれるので、宝塚初心者にとっては分かりやすかったと思います。
朝夏さんと愛月さんは、当時のエピソードをいろいろ交え、まるでお茶会でのトークのようにお話しされていました。
愛月さんがショーで初めて与えられた一人中心の場面である、桜木みなとさんと和希そらさんと3人で銀橋を渡る場面では、
朝夏さんが、この3人は下級生のときから可愛がってきたので、3人そろって銀橋を渡るなんて感慨深いとか、
真風さんが銀橋で歌う場面の1節、朝夏さんは着替えながら真風さんをいつも真似して一緒に歌っていたとか。
朝夏さんが見どころでも挙げていた真風さんとのダイナミックなダンスの場面は
当時、私も本当にびっくりした場面でした。
真風さんが朝夏さんを垂直に1回転させるというアクロバティックなリフト。
愛月さんが、「長い手足の朝夏さんを縦にリフトするなんて…」と話されると、
朝夏さんが「ゆりか(真風さん)も、あり得ないところから足が来ると言ってました」なんて話されていました。
このアクロバティックなリフト、たしか東京公演では変更になりましたよね。
あれはもう歌劇団ではなく雑技団でしたもの。。
こだわりの黒燕尾
朝夏さんは黒燕尾に特別な思い入れがあり、終盤の黒燕尾での10分間は男役の集大成として捉えられていたとか。
華やかなビジューのカラフルな世界から、娘役の白いドレスと男役のシンプルな黒燕尾になる対比が本当に素晴らしく、清廉な気持ちになります。
この公演は朝夏さんの退団公演でしたが、組子たちの朝夏さんへの熱い思いに包まれていた空間だったことがよみがえってきました。
大劇場の千秋楽で朝夏さんが黒燕尾でご挨拶されたことでも、その思い入れの強さを伺えますよね。
男役の生徒さんたちは各自、自前の黒燕尾を仕立てていただくそうです。
黒燕尾は宝塚男役の象徴のようなもので、それを美しく品格をもって着こなすことを
本当に大切にしていると、朝夏さんを通して改めて知ることができました。
今回、副音声を聞きながら鑑賞することで、より身近に楽しく感じました。
WOWOWなどでも、副音声入りで放送されていたりしますよね。
スカイステージでも試してみたらいいかもしれません。いや、絶対いいです!お願いします!
次回のNHKレビューセレクションも楽しみにしたいと思います。
コメント