今までに観た下級生の娘役さんがヒロインの舞台で、
下級生とは思えないような存在感があり、実力と舞台度胸を感じた娘役さんが3人います。
一人は、もうご卒業された妃海風さん。
残る二人は、有沙瞳さんと彩みちるさんです。
今日はそのお二人、有沙瞳さんと彩みちるさんについての思いをお話したいと思います!
有沙瞳さん
月城かなとさんのバウホール初主演公演『銀二貫』で、月城さんの相手役をしていたのが有沙さんでした。
実はその頃は、まだ有沙さんのことをよく知らなかったのですが、
その舞台を観て、しっかりした演技と歌唱力に驚き、まだ研4と聞いてさらに驚いた記憶があります。
『銀二貫』の前年、2014年に『一夢庵風流記 前田慶次』で新人公演の初ヒロイン。
2016年の『るろうに剣心』で初のエトワールを務めた後、星組へ組替えします。
星組でも『スカーレット・ピンパーネル』で、再び新人公演のヒロインを経験。
その後も『阿弖流為』『ドクトルジバゴ』『マノン』と合計3度の東上公演のヒロイン、
さらに再びバウホール公演『龍の宮物語』でもヒロインを務めています。
その間にも池田泉州銀行のイメージガールになるなど、いつトップ娘役になってもいいような状態でした。
ところが礼さんの相手役に決まったのは4期下の舞空瞳さん。
それでもその実力から、別箱のヒロインや『王家に捧ぐ歌』のアムネリスなど、しっかりした存在感は今も健在です。
彩みちるさん
彩さんは舞台で知る前にスカイステージでそのお顔と名前を知っていて、
ちょっと個性的な魅力を持った娘役さんなのかと、勝手にイメージしていたんです。
ところが『ドン・ジュアン』を観たときに、いい意味でそのイメージが覆されました。
地味な衣装でも圧倒的な存在感を感じさせる演技に、
華奢で可愛いだけではない、一本筋の通った芯のある娘役さんなのだと実感。
彩さんは、2014年『星逢一夜』で新人公演初ヒロイン、
その後『ドン・ジュアン』、『CAPTAIN NEMO』と二度の東上公演ヒロインを務めた後、雪組から月組へ組替えになりました。
組替え後も魅力的な存在感を見せてくれていましたが、先日3度目の東上公演ヒロインとして出演した『ELPIDIO』での、
これまでを大きく超える美しさと華やかさに圧倒され、その成長ぶりにかなり驚かされました。
有沙さんと彩さんのこれからは…
早くから抜擢され、その期待に応えて着実にステップアップされてきた有沙さんと彩さん。
今や実力派娘役として、文句なしの娘役さんとなられました。
宝塚でトップ娘役になるためには、いろいろな条件が必要です。
トップ娘役にふさわしいと判断されても、相手役となるトップスターとの相性や、各組の状況などなど。。
男役トップスターが長期的に計画されて就任するのに対して、
トップ娘役になるには運やタイミングの要素が大きいと感じている方も多いはず。
有沙さんと彩さんはタイミングさえ合っていれば、すでにトップ娘役になっていたかもしれないお二人です。
研10でトップ娘役になった仙名彩世さんや、研12でトップ娘役になった朝月希和さんがいらっしゃるので、
研11の有沙さんと研10の彩さんの今後のトップ娘役就任は、可能性がないとは言い切れません。
ただ作品によっては、初々しさを求められることもあるトップ娘役。
キャリアを積んで、実力をつければつけるほど、ベテラン感がついてしまうのも事実です。
トップの座にこそついていませんが、別箱では抜擢されているお二人。
別箱での抜擢は、劇団の誠意の表れかもしれません。
有沙さんは次回、礼真琴さん主演の『Le Rouge le Noir〜赤と黒~』に出演予定です。
歌唱力のあるメンバーで構成されている印象のこの作品。
おそらく有沙さんはレナール夫人で、魅力的な大人の女性を演じ、素晴らしい歌唱を聴かせてくれるでしょう。
彩さんは大劇場公演『応天の門』『Deep Sea-海神たちのカルナバル―』に出演されます。
彩さんは白梅というお役だそうですが、日本物でも美しく素敵に演じ、
その存在感を存分に示してくれるに違いありません。
これまでのお二人を振り返れば、とても充実した娘役として過ごされてきました。
研10を過ぎて、そろそろ区切りのときと考えていらっしゃるかもしれませんが、
この先、お二人はどうなるのでしょうか…
以前、娘役の活躍の場についてお話ししたことがありますが、
上級生になっても、実力ある娘役さんが活躍できる劇団であってほしいと思います。
有沙さんと彩さんの今後の活躍を、心から願っています。
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