いろいろ大変だった星組『1789』が、ついに大千秋楽を迎えます。
しっかり休養に専念されるかと思った礼さんは、舞台に復帰して私たちを安心させてくれました。
休演に入ったいきさつから考えて、完全に体調が戻っていないのかもしれませんが、
礼さんのトップスターとして矜持や責任感、いろいろな思いを察すると、
もう外野がとやかく言うべきでなく、今はただ舞台を観るのみという心境に至りました。
そんなこんなでうっかりしていたのですが、
星組の天飛華音さんのバウホール初主演作品『My Last Joke-虚構に生きる-』の友会チケット抽選の申込みが始まっていたんですよ。
気付いて良かった!申込み締切りは8月27日です。
『My Last Joke―虚構に生きる―』
『My Last Joke』の作・演出を手掛ける竹田悠一郎先生は、2014年に宝塚歌劇団に入団され、
2021年の花組バウホール公演『PRINCE OF ROSES』で演出家デビュー。
2022年には石田昌也先生の脚本による『殉情』の潤色・演出を担当されていましたね。
『My Last Joke』は1809年にアメリカで生まれたエドガー・アラン・ポーの生涯を描く作品で、天飛さんはポー役。
ポーといえば、ゴシック小説や恐怖小説などで知られる作家で、江戸川乱歩の名前の由来というのは有名な話。
今回の作品では、ポーが作家として本当に描きたかったもの、人生で追い求めようとしたものは何なのか、
自らの運命を自覚した上で、その運命に挑み続けた人生を鮮やかに描き出すとか。
何冊か読んだポーの小説からは、陰鬱、暗い、恐怖…といった言葉しか思い浮かばないのですが、
そんな物語の作者であるポーが、本当はどんな人だったのかを天飛さんが見せてくれるわけですね。
公演ポスターを見てみると、妻役の詩ちづるさんと二人でほの暗い照明の下、
天飛さんはシリアスな雰囲気で鋭い視線ながら、なんとも感情が読めない表情。
詩さんは、いかにもゴシック小説に出てくる女性の佇まいで美しいです。
竹田先生がどんな世界を描かれるのか、期待大で待ちたいと思います。
天飛さんの演技に大注目
今回、初めてバウホール公演主演を務める天飛さんは、2016年初舞台の102期生。
2019年の『GOD OF STARS』で新人公演初主演後、2021年の『柳生忍法帖』、2022年『ディミトリ』と
3回の新人公演主演をされていて、星組で注目の男役さんです。
星組には天飛さんより2期上で、ビジュアルは任せとけ!なキラキラ王子様の極美慎さんがいますが、
その極美さんが昨年主演したバウホール公演『ベアタ・ベアトリクス』に天飛さんも出演されていて、
天飛さんの見事な迫真の演技に感動したことを、昨日のことのように思い出します。
繊細な感情を内包しつつも熱い演技で、いい意味でそれまでの天飛さんのイメージが吹っ飛び、
今後の天飛さんの成長をぜひ見ていきたい!という気にさせられる素晴らしい演技でした。
現在上演中の『1789』では、ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン役で、
本公演でも印象に残る役どころを任されています。
バウホール主演決定は着実なステップアップの結果ですね。
天飛さんにはぜひ陽気な明るい青年役でラブコメディを演じてもらいたい気がするのですが、
今は引き出しを増やし、一歩一歩ステップアップされるのを楽しみにしたいと思います。
天飛さんと同期の102期生では、月組の彩海せらさんが来年早々にバウホール主演が決定しています。
宙組の102期生である風色日向さんも、来年はバウホール主演をされることでしょう。
日々進んでいく宝塚、ボーっとしてはいられませんね!
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