9月30日に新生宙組の阪急交通社貸し切り公演を観劇し、
ブログでその感想を書きかけていたときに今回の訃報を知りました。
驚きとショックで、この気持ちをどう言葉で表せばいいのか、昨日は一日考えあぐねていました。
彼女への思い
まずは、亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様にはお悔やみを申し上げます。
いろいろな報道等でお名前が上がっていますが、劇団からの発表にもあるように、
ご遺族のお気持ちを鑑みてお名前を出すことは控えさせていただきます。
私にも娘がいますので、大切に育てられたお嬢様を失われたご両親のお気持ちを思うと、
胸が詰まるように苦しくなります。
本当の原因はご本人にしかわからないことですが、
劇団には、個々の生徒さんたちが精神的に困難な局面に陥らないような環境を
速やかに整えてくださることを祈るばかりです。
「清く正しく美しく」の意味
宝塚歌劇団のモットーは「清く正しく美しく」。広く知られている言葉です。
劇団が創設された頃は女性の処女性がとても重く考えられていた時代で、
宝塚に入った生徒さんは退団後、芸能界に進まれる方も一部いらっしゃいましたが、
多くの方々は結婚して主婦となりました。
そんな時代でしたから、劇団は大切なお嬢さんたちを預かっている以上、
将来結婚しても賢夫人となるよう、お作法やお掃除の仕方などの教育も芸事に加えて徹底されたのでしょう。
その上で生徒たちが退団するまでは、きちんと守ってあげなければいけない、
そんな考えが、劇団にはしっかりあったように思います。
翻って110周年を迎えようとしている今、根底にある一般常識が随分変わってきており、
これまでの「大切なお嬢さんを預かっている」という劇団の意識は希薄になってきているのではないでしょうか。
劇団も企業として業績を上げなければならず、
昔のようないい意味での家庭的発想のようなものはなくなり、
個々の生徒は戦力の駒と捉えられているように見受けられます。
現理事長の就任後はいろいろと問題続きで、その手腕はどうなのか…とも思いますが、
収益拡大の成長戦略で成功してきた前理事長の弊害が、
もしかしたら今になって出てきたのかもしれず、素人には判断できないことです。
ただ今の体制のままでは、変化は期待できないと思います。
歌や踊りなど、技術的な分野では多くのOGが活躍していますが、
経営サイドの幹部にも、現場を知っているOGがもっと入ってもいいのではないでしょうか。
舞台しか観ていないただのファンが偉そうに言えることではありませんが、
今後の宝塚を杞憂するからこそ、ああだこうだと思ってしまいます。
今一度、現代にあった「清く正しく美しく」とはどういうことなのか、
劇団幹部の方たちで熟考して、今後の劇団運営に生かしてほしいと心の底から願います。
中止となっている宙組公演の休演は、10月8日まで延長されました。
公演が再開されれば、微力ではありますが、観客席から舞台上の生徒さんたちを支えたいと思います。
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