宝塚の男役の衣装でまず思い浮かぶのは黒燕尾ですよね。
次に思い浮かぶのはスーツ?軍服?
「ベルサイユのばら」が大ヒットして以来、宝塚と言えば軍服と思う人も多いかもしれません。
そんな宝塚の軍服についてお話しします。
衣装としての軍服
宝塚の衣装としての軍服は、17世紀以降のヨーロッパのものが多いですよね。
飾りがついていたり色彩も鮮やかだったり、いかにも男役の美しさを引き立てるのにぴったりです。
「ベルサイユのばら」はもちろん有名ですが、「うたかたの恋」のルドルフの白い軍服も負けていません。
トップスターは通常、緑の袴や黒燕尾姿で退団公演千秋楽のご挨拶をされますが、元宙組トップスターの凰稀かなめさんはルドルフの軍服姿で登場され、ファンを驚かせました。
また元星組二番手の愛月ひかるさんが、ずっとやりたい役はルドルフとおっしゃていて、退団公演でルドルフの白い軍服を着たのは記憶に新しいところです。
美しい軍服姿はあこがれの王子様のイメージに通じるのかもしれません。
群舞での軍服
軍服はあこがれの王子様一人のみを輝かせるだけでなく、群舞でもその魅力を発揮します。
強く印象に残っているのは、2017年の宙組「神々の土地」の近衛騎兵連隊任官式の場面。
真っ赤な絨毯が敷かれた大階段の上から軍服の男役たちが降りてきて銀橋まで進むのですが、
その背景と荘厳な音楽も相まって、まさに美しさと迫力が押し寄せてくる名シーン!
そのときの軍服は黒っぽい色で装飾もあまりなくキラキラした感じは全然ないのですが、逆にそのシンプルさが重厚なイメージを作っていて、
赤い大階段に並んだ男役さんたちの白い手袋も映えて、本当に美しい絵を観ているようでした。
さて次は、現在のトップスター5人のおすすめ軍服作品を考えてみました!
トップスター5人のおすすめ軍服作品
【花組】柚香光さん「はいからさんが通る」
日本陸軍の少尉役なので「ベルサイユのばら」のような華美な軍服ではないですが、優しさと包容力で乙女心を満たしてくれます。
韓国語では「漫画から飛び出してきたようなイケメン」という意味の「マンチッナム」という言葉がありますが、少女漫画が原作の本作で、柚香さんの伊集院少尉はまさしくマンチッナム!
【月組】月城かなとさん「ダル・レークの恋」
宝塚の古典的名作。正統派美人の月城さんだからこそ似合う軍服にターバン。
美しい言葉を使ったセリフは現代的な感覚からは少し離れている気もしますが、大人の色気あるラッチマンに魅了されること間違いなしです。
【雪組】彩風咲奈さん「f f f -フォルティッシッシモ-」
こんな美しいナポレオンはいないでしょう!
実際のナポレオンは小柄でずんぐりした人だったようですが、宝塚ならではの美しいナポレオン。
彩風さんの素晴らしい頭身バランスを堪能できます。
新人公演で主演をされた「ベルサイユのばら~フェルゼン編~」のフェルゼンも素敵でした。
【星組】礼真琴さん「黒豹の如く」
なぜか「黒豹の如く」が一番に思い浮かびました。
この作品に出てくる軍服はデニムのような生地感で、現代に近い時代設定だからか軽快な感じで、
そのイメージが当時の礼さんのフレッシュでチャーミングな様子にぴったりでした。
【宙組】真風涼帆さん「エリザベート」
皇帝フランツの青年時代のキラキラした姿から、年老いて落ち着きを持った姿まで、いろいろな軍服姿を楽しめます。
どれもお似合いなのですが、特に青年時代の青い軍服姿は、カッコよすぎてマザコンなのを許してしまいそうです。
また、ショー「Délicieux(デリシュー)! 」での開襟・軍帽の軍服姿は、妖しい色気がもう危険なレベルでした…!
宝塚での軍服は17世紀以降のヨーロッパのものが多いイメージでしたが…
改めて5人のおすすめ軍服作品を振り返ってみたら、一口に軍服と言っても多種多様ですね。
日本陸軍少尉、ターバン、デニム、開襟。イメージ通りなのは彩風さんだけでした!
来年のお正月公演は花組の「うたかたの恋」が予定されています。
新たに小柳奈穂子先生が演出されるそうで、今までと違った「うたかたの恋」を見せてくれそうですよね。
ルドルフを演じる柚香さんの白い軍服のビジュアルは絶対素敵だと思いますが、その想像を超えてくると予想しています!
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