コロナ禍で宝塚では少なくなっていた海外ミュージカル原作作品が、最近増えてきました。
劇団座付きの演出家が作・演出するオリジナル作品と、海外で上演されたミュージカルを原作にした作品。
それぞれに一長一短ありますが、どれぐらいの割合で海外ミュージカル原作作品を上演するのが理想的かを考えてみました。
それぞれのメリット・デメリット
まずは海外ミュージカル原作作品、オリジナル作品それぞれのメリット・デメリットを考えてみたいと思います。
誰の立場に立つかでメリット・デメリットは変わってくると思いますが、
ファンの立場で私が思いつくものを挙げてみたいと思います!
海外ミュージカル原作作品
メリット
海外上演で評価がよかった作品の中から、劇団は宝塚に合う作品を厳選して版権を買うでしょうから、
すでに出来上がっている上質なストーリーや音楽を宝塚で違和感なく堪能することができるでしょう。
宝塚オリジナル作品とは全く異なる演出やダイナミックな音楽を、新鮮な気持ちで楽しむことができます。
劇団にとっては、版権取得のコストがかかりますが、
上演してみたらコケてしまったということがほぼないので安心です。
知名度がある作品だと、宝塚ファンだけでなく一般的にも受け入れられやすいため、
チケットの売り上げもアップし、宝塚歌劇自体の宣伝効果も見込めるでしょう。
デメリット
宝塚に合わせた脚本ではないので、主要キャストが少ない場合が多く、下級生はモブになりがち。。
それが気にならずに楽しめたらいいのですが、
せっかく70名ほどものキャストを舞台上に登場させられるのに、もったいない気がします。
さらに版権上の制約が厳しく、スカイステージで放送できなかったり、ブルーレイやDVDを販売できないことも。
ファンとしてはお気に入りの作品は何度でも観たいですし、
チケットが取れなかったり遠征できなかった場合は(特に別箱ではよくありますよね。。)、
お気に入りの生徒さんのその作品での舞台姿を、一度も観ることができないなんて悲し過ぎます…!
ブルーレイは販売される場合もあるので、版権を得る場合はすべての作品で販売できるようにしてほしいです。
オリジナル作品
メリット
オリジナル作品は劇団座付きの演出家が創るので、公演する組やその組のトップスターに合わせた脚本を創ることができます。
大抵トップスターの個性に合った作品に仕上げてくれるので、ファンの満足度は高まり、
脚本に合わせたナンバーは美しいメロディが多く、宝塚ならではで後々まで心に残ります。
生徒さんのことをよく考えて作られているので、
中堅どころの生徒さんにちゃんと活躍の場があったり、将来有望な下級生の抜擢があったりで、
観る側も作品そのものだけでなく、生徒さんの成長ぶりをより楽しめるのではないでしょうか。
またオリジナル作品の場合はほとんどがショーとの二本立てなので、
たとえ悲劇物であっても後半のショーで気分転換でき、悲しい気分を引きずることなく、明るく元気な気持ちで劇場を後にできます。
生徒さんにとってはお化粧替えがあったりで大変かもしれませんが、
見せ場が増えるので、よりやりがいを感じられるのではないかと思います。
デメリット
デメリットは、観客の反応や評価が、幕を開けてみないと全くわからないことでしょう。
今は手厳しい評価をSNSに上げる人がいて、多くの人の目に触れるので、作品の評価がそういったものに流されがちな気がします。
一般的に駄作という評価が多い作品でも、私は意外と楽しめた作品もありました。(その逆もあり。)
劇団はそういった評価に躊躇することなく、積極的に新しいオリジナル作品に挑戦し続けてほしいと思います。
そんな中から宝塚の名作と言われる数々が生まれていくのですから!
理想的な割合は?
海外ミュージカル原作と言っても、大作と言われる作品と小劇場向きの作品があります。
そこで、大作と言われる作品を大劇場で上演すると考えた場合の理想的な割合を考えてみました。
昔から宝塚を観てきた人と、元々ミュージカルが好きで、その一環で宝塚を観るようになった人とでは理想が異なると思うのですが、
昔から宝塚を観てきた私は、4作に1作ぐらいの頻度で海外ミュージカル原作作品を上演するのが理想的だと考えています。
1つの組が大劇場で1年に2作と考えて、2年に1作くらいでしょうか。
1人のトップスターが就任中に最低1回は上演する感じですね。
海外ミュージカルは、宝塚とはいろいろな部分で違いがあるはずですから、生徒さんにとっては勉強の場になるでしょう。
普段の宝塚とは違うパフォーマンスは刺激になり、全体的なレベルアップにもつながるので、
生徒さんにとってもそれくらいの頻度がいいのでは?と思います。
トップスターが海外ミュージカルに挑戦するのは是非観てみたいのですが、
何よりせっかく宝塚の男役トップスターになったのですから、男役ならではの素敵な姿をたくさん観たいんです!
海外ミュージカル原作作品が全くないのも残念ですが、
私はやはり宝塚ならではのオリジナル作品をより多く観たいと思います。
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