『MAKAZE ISM』が無事開幕して、初日映像を見ることができました。
相変わらず潤花さんの真風さん大好きモードが炸裂していたようで、客席もとても盛り上がっていました。
潤花さんには「お慕い芸」は全く感じないのですが、
長いブランクを経て観劇を再開してから、初めて聞いた「お慕い芸」という言葉。
その言葉について考えてみました。
「お慕い芸」昔はなかったような?
熱心に観ていた十代の頃には、「お慕い芸」などという言葉は聞いたことがありませんでした。
その言葉から感じる個人的なイメージは、舞台上の演技ではなく、
オフの場やスカイステージの番組内での言動について、
トップ娘役がトップスターを褒めたたえ、
素敵!大好き!とアピールする様子を揶揄している、というものです。
スカイステージがなかった頃は、オフの生徒さんの様子を知るには「歌劇」か「宝塚GRAPH」しかありませんでした。
入り待ちや出待ちで、個々の生徒さんのお人柄を少しは感じることができましたが、
トップコンビが舞台上と同じようにオフでも振る舞っている印象はありませんでした。
ベルばら初演の初風諄さんから始まって、上原まりさん、高宮沙千さんなど、
その頃のトップ娘役さんは、現代のトップ娘役さんよりずっと大人っぽい印象で、
トップスターは真ん中で君臨しているけれども、
トップ娘役は寄り添ってお慕いしているだけではない、確固とした存在感が今よりもあったように思います。
「お慕い芸」を感じたとき
観劇を再開してしばらくたった頃、スカイステージを契約しました。
いろいろな番組から、舞台ではわからない生徒さんたちのオフの様子を知ることができ、
毎日見ているうちに生徒さんたちの個性や性格を伺い知ることができたのですが。。
そんな中で感じた「お慕い芸」。
トップ娘役は全員、当然のようにコンビを組んでいるトップスターを褒めたたえます。
その程度に違いはありますが、あまり大げさに言っているのを聞くと
何だかね~…と、不自然さを感じてしまったのでした。
特に印象に残っているのは、雪組の咲妃みゆさんと月組の美園さくらさんです。
演技力が抜群で可愛らしい咲妃みゆさんの、早霧せいなさん大好きアピールは本当にすごかったです。
早霧さんのツンデレのような対応を見て、何もそこまでアピールしなくてもいいのに…
と思ったりしたものです。(あくまで個人的感想で、そこがいいと感じていた方もいるとは思います。)
美園さくらさんに至っては、珠城さんの塩対応との温度差があまりにひどく、気の毒に思うほどでした。。
背景にどういう事情があるかわかりませんが、
どんな状況でもトップ娘役はトップ大好きアピールをしなければいけないのだろうか…と切なくなってしまいました。
異色な潤花さん
潤花さんはあまりにもストレートに、始終真風さん大好きアピールをされるので、
本当に真風さんのことが好きなんだなぁと思ってしまいます。
彼女のスゴイところは、自分だけそう思うというのではなく、
見ている側まで巻き込んで「みんなもそう思うでしょ!」と思わせるところ。
素直で陽気な潤花さんの性格がそう感じさせるのかもしれませんが、
真風さんの魅力をより大きくしっかりと見る側に感じさせていますよね。
これが「お慕い芸」だとしたら、かなりのハイレベル!
でもなぜか潤花さんには「お慕い芸」を感じないのです。
潤花さんといえば、幸福感を超振りまいているデュエットダンス。
お芝居とショーの最後、コース料理で言えばデュエットダンスはデザートのような存在でしょうか。
夢見心地な気分にさせてくれて、宝塚を観て本当に良かったー!と幸せな気持ちにさせてくれるのは、
心から本気で幸せそうな潤花さんの表情があってこそです。
また、退団会見で見せた潤花さんの表情からは、トップ娘役を務める大変さがひしひしと伝わってきました。
それを支えてくれた真風さんへの、涙と共に語られた感謝の言葉に嘘偽りは感じられませんでした。
そういった潤花さんの素直な魅力が、「お慕い芸」という言葉を一掃しているように思います。
潤花さんの舞台を観られるのもあと少しで、さびしくもありますが、
最後のその日はどれほど幸せそうな表情を見せてくれるのか、想像しただけで思わずこっちが笑顔になってしまいそうです。
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