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ゆり
子供のころからファンだった宝塚歌劇
結婚や子育てで離れていましたが
2011年から観劇を再開しました。

夫が病で亡くなって一人暮らしとなり
宝塚歌劇に生きる活力をもらいながら
感動と心地よい暮らしを
積み重ねていくことが目標です。

何歳になっても元気に大劇場へ通うため
ピラティスや姿勢改善など
セルフケアにも取り組んでいます。

宙組多めの全組観劇派です。
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【感想】花組全ツ『フィレンツェに燃える』

花組全国ツアー公演『フィレンツェに燃える』『Fashionable Empire』、

梅田芸術劇場メインホールでの二日目を観劇してきました。

『フィレンツェに燃える』は、1975年の初演以来47年ぶりの再演だそうで、

今日はこの作品について感じたことをお伝えします。

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目次

柴田先生の世界観

今回の『フィレンツェに燃える』は柴田先生のお若い頃の作品だそうですが、

同じく柴田先生の『バレンシアの熱い花』を観た時と同じ世界観を感じました。

男性側の視点から描かれた、純粋に愛することに葛藤する男のロマンみたいな…

柴田先生のロマンティシズムなんですかね。

お話は、対照的な性格の侯爵家の兄弟を軸に展開します。

長男は聡明で高潔なアントニオ、次男は奔放なレオナルド。

酒場の歌姫から侯爵夫人となったパメラと、長男アントニオを慕うアンジェラ。

この4人を基軸にした愛の物語なのですが、兄弟愛も含めて、お互いを純粋に愛して思いやるがゆえに心とは裏腹な行動を取ってしまう。

愛する人のためならば自分が身を引くことを厭わない女性。

抗えない魅力をもった女性に惹かれる気持ちと清純無垢な女性も放ってはおけない気持ちの葛藤。

愛するがゆえに生まれる心の揺らぎを繊細に描かれた、柴田先生ならではの作品でした。

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全体の感想

現代とは違うテンポ感と価値観

たぶん今の時代だからそう感じるのでしょうが、作品全体のテンポが遅くて物語の流れに乗りにくかったです。

ゆっくりとした流れではあるのですが、アントニオやレオナルドの心情を表わすタイミングが唐突に感じたのは私だけでしょうか?

アントニオとパメラが心を惹かれ合う場面があり、その次のアントニオの登場場面で、アントニオがレオナルドにパメラと結婚すると言う場面がありました。

アントニオの気持ちはわかるのですが、パメラの了解も得ずいきなり結婚と言い出すのには、ちょっと男の傲慢さのようなものを感じてしまいました。。

また、レオナルドが兄アントニオのためにパメラに近づき二人を別れさせようとするのですが、パメラに心惹かれてしまう。

そのレオナルドの感情の流れが端折られているようで、もう少し丁寧に描いてほしかったです。

パメラの人物設定も、本当は純粋なのか性悪なのか曖昧で…

そこは観客に想像させる物語の余韻部分なのかもしれませんが、人物設定をはっきりさせたうえで曖昧さを表現できなっかたのかな?と思いました。

文句ばかり言ってしまいましたが、それだけ柴田先生の華麗な世界観を現代に蘇らせるのは難しいのだと実感しました。

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演出の疑問点

演出で疑問に思った部分ですが、永久輝せあさん演じるオテロが水美さん演じるレオナルドとの決闘で亡くなり、

舞台上手で横たわったまま、舞台上ではカーニバルのダンスが繰り広げられるというところ。

最初はオテロの倒れる場所が幕より前過ぎたのかと思いましたが、どうもそうではない様子。

生と死、陽と陰といったものを象徴しているのかと途中から思いましたが…

象徴的なイメージを表すのは素晴らしいと思いますが、分かりにくいのでもう少し工夫がほしかったです。

永久輝さん、死んじゃってるから動くに動けないよね…と心配しちゃいました。

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個人の感想

演出については不満を言ってしまいましたが、出演者の方たちはみなさん素敵でした!

柚香光さん

柚香さん演じるアントニオは侯爵家の長男らしく落ち着いた佇まいで、抑制の効いた大人の男のお芝居でした。

思慮深い冷静な人なのに内には熱い情熱が感じられて魅力的。

お鬚も似合って男役らしい色気に満ちていました。

水美舞斗さん

水美さん演じるレオナルドは今回セリフも本当に多く、主役の柚香さんとも変わりないくらいの存在感でした。

柚香さんの静に対して動の性格設定なので、舞台に出てきたときの印象が強いのです。

水美さん自身の押し出しも以前より強くなっていて、お芝居はもちろんですがショーでも本当にキラキラ!

いろいろと複雑な立場ではあるようですが…これからもどんどん活躍の場が広がってほしいと強く思いました。

永久輝せあさん

永久輝さんは登場場面が少なめでしたが、やはり宝塚の男役らしい存在感はある方だと再認識しました。

憂いのある表情や声が本当に素敵です。

星風まどかさん

パメラを演じた星風さんは健闘していまいした。

星風さんにとってはお役の幅を広げるいい機会になったと思いますが…

個人的には星風さんの持っている、明るく若々しいキャラクターをより活かせるお芝居が観たいです。

侑輝大弥さん

全国ツアーは本来の組子数より人数が減る分、下級生にも活躍の場が増えて存在感をアピールできます。

今回、ロベルト役をされていた侑輝大弥さんがとても目を引きました。

背が高くて目立っている上にセリフも多く、思わず目が行ってしまう感じなんです!

これからの活躍に注目したい男役さんの一人になりました。

     

コロナの影響も少しずつ減ってきているようで、大劇場の雪組、東宝の宙組ともに無事公演が行われていて嬉しいです。

花組全国ツアーも公演関係者のみなさんが、お元気で最後まで走り抜けられますように!

お付き合いありがとうございました。
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