月組『グレート・ギャツビー』、千秋楽おめでとうございます!
大劇場では中止のため観劇できず、東京での千秋楽の配信視聴が最初で最後の観劇になりました。
配信を観ながら改めて強く思ったのは、大劇場で観劇できなかったことが本当に残念で残念で…ということ。
視聴しながら感じたことなど、甘辛まじえてお伝えします。
月城さんの代表作になる
全編を通して、月城さんの存在感がすごかったです。
心を打つ上手すぎるお芝居
ギャツビーって5年間も気持ちを切り替えられず(それだけ愛していたということですが…)
既に結婚してしまったデイジーの家の対岸にある豪邸に住み、再びデイジーの愛を取り戻そうとする。
考え方によっては粘着質で怖いとも感じられる男性ですが、そんなふうには全く感じませんでした。
それは月城さんが演じるからこそで、ギャツビーが本当に魅力的な人に見えてくるのです。
お顔の美しさは誰もが認めるところですが、お芝居が本当に素晴らしい!
内に秘めた情熱の表現の仕方が、抑制が効いていたりあらわにしたり、その加減が上手すぎて心を打つのです。
心にしみる歌
そして歌もいい!月城さんの歌は、聴かせてやるぞっていう気負ったところがなく、
お芝居のセリフの延長というか、セリフの一部のように感じられて、余計心にしみてきます。
完璧な男役の佇まい
男役の佇まいが完璧で、スーツ姿が本当に素敵でした。
ピンクのスーツの着こなしは、これぞ宝塚!な感じで、宝塚の男役にしか出せない魅力です。
対岸のデイジーの家を見る姿は、背中で哀愁を感じさせていました。
男役としての粋と色気を感じさせるギャツビーは、月城さんの男役の一つの完成形であり、代表作になることは間違いありません。
デイジー役の難しさ
デイジーって本当に難しいお役だと思います。
あの美しい月城さんが、忘れられない女性であることを観客に納得させないといけないのですから…
デイジーが子供のいる母親として、優柔不断な態度に出てしまうのは仕方がないと思います。
海乃さんのお芝居にもその葛藤する気持ちが表現されていました。
ただ、なぜギャツビーがそこまでデイジーに恋焦がれているのか、もう少し説得力がほしかったです。
後半の優柔不断なデイジーの印象が強く、ギャツビーが恋に落ちた頃の魅力的なデイジーの印象が薄くて。。
儚げな美人というのが海乃さんの役作りのイメージかもしれませんが、
コケティッシュな魅力で心を引きつける彩みちるさんがデイジーを演じても面白かったかもしれません。現実的でない妄想ですが。
気になった人たち
鳳月杏さん
お芝居に安定感があり、スノッブだけど魅力的でした。
月城さんと全くタイプが違うからこそ、お互いにその魅力を引き立て合っていた気がします。
風間柚乃さん
みなさんご存知のように、普通の人を演じているのにお芝居が光っていました。
最後のギャツビーの葬儀の場面では、風間さんのお芝居に思わず泣いてしまいました。
心の中で「センチメンタルなメロドラマだよね~」なんて思っていたのに…
これで「男役10年」の色気を身につけたら、もう無敵でしょう。
輝月ゆうまさん
ギャングのボスをさせたらきっと宝塚で一番ですよね!
白髪まじりのミドルエイジの役どころでしたが、男役の色気は顕在。
礼華はるさん
新人公演『桜嵐記』でも素晴らしい演技を魅せてくれた期待の男役さんです。
メイクをもう少し工夫したら、もっと素敵になると思います。
英真なおきさん
『CITY HUNTER』を体調不良のため全日程休演されていたので心配していました。
以前より少しお痩せになられたようですが、お元気なお姿を見られて本当に嬉しかったです。
また英真さんらしいお芝居を観られるのが楽しみです。
今回の『グレート・ギャツビー』は、月城さんの存在感が本当に大きく美し過ぎて、終始圧倒されっぱなしでした。
次回の月組大劇場公演『応天の門』のビジュアルも公開されましたね。
和物の美しさもわかってはいましたが、本当に素敵…!
その前に『ブラック・ジャック 危険な賭け』もありました。魅力的な演目が続きます。
今度は実際に観劇できることを願いながら、楽しみに待ちたいと思います!
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